ごあいさつ

   セサミ数学スクールは、2010年11月に東京都町田市に開校した数学専門塾です。コロナ前までは小学生から高校生までが在籍し、先取り学習、数学検定対策、受験対策、学校の試験対策、英語で数学など様々な目標に向けて、生徒さんたちはみな3時間、頑張って勉強しています。

​ コロナ禍ではオンライン授業のみとなりましたが、2022年12月からは教室を下北沢に移し、対面授業とオンライン授業のどちらも活用できるようになりました! 小学生向けの授業やプログラミング講座も再開し、これから一層活気を取り戻していきます!

 通塾だろうとオンラインだろうと、「3時間、数学を解いて解いて解きまくれ!」というセサミのスローガン(?)は変わりません。3時間授業というと、スパルタ的な授業を想像される方もいるようなのですが、全然そんなことはありません。セサミは生徒さんたちの自主性と熱量とに支えれられている。それだけです。私が「バカボンのパパ」で、皆さんが「はじめちゃん」みたいな(※古いなぁ、伝わらないだろうなぁ・・・)

​ さて、セサミは小さな小さな塾ですが、その小ささとは裏腹に、大きな成果を遂げてきました。開校2年目で東大合格者を輩出したり、算数オリンピックや広中杯の予選会場となり好成績をおさめたり、英語で算数・数学を勉強して海外の学校に合格したり、その他色々。すべての生徒さんたちが、自分の目標に向かって懸命に取り組み続けています。優秀な講師たちにも恵まれ続けています。開校当初には想像もしませんでした。

 更には2021年6月、セサミの元生徒さんが、国内の情報オリンピックで1位、国際情報オリンピックで第6位になるという大成果を成し遂げました。私の想像を遥かに超えた状況です。この先、世界を変革していくようなことを成し遂げていくのかもしれません。そう考えると、身震いするくらいもの凄いことだと思います。(※ちなみにこの大快挙は100%生徒さんの能力努力その他諸々によるものです)

 

 この生徒さんの成果から、私が学び取ったことを書いていこうと思いました。

で、色々なことを書こうとして、散々悩みました。遺伝か環境か、才能か努力か。点数や順位や偏差値にこだわるべきか否か、ネットでググれば有り余る知識をゲットできる今日において暗記重視の学習の意義は何か、人工知能AIが脅威の進歩を遂げている現在において学習する意義は何か。書いては消し書いては消し、を繰り返し、そもそもなんで勉強するのだろう? いろんなことがわからなくなってしまい、迷走しまくってました。

 デカルトのように、種々の事柄を懐疑し続け、それでもなお、言えることは何だろう?「そんな中、1点だけ消されずに残り続けたことがある」と思ったのですが、それでもまだしっくりこなくて。なんでしっくりこないのだろう? それはたぶん、1つではなくて2つあるからではないか、と思いました。

 1つは、自分の興味のあることに没頭するということです。

 上述の生徒さんが海外のオリンピック問題の難問に挑み、考え続けた末、「あ、これは中国剰余定理で解ける!」ときらめく笑顔で言っていた情景が、今でも脳裏にくっきりと焼き付いています。わかりにくかったら、新種の虫を発見した虫君の姿を想像してみてください、そんな感じです。好きなことにきらきらと没頭できるって、本当に羨ましいです。(※「虫君」というのは昆虫が大好きなセサミの生徒さんです。)

 これまた印象的でくっきりと覚えているのが、その生徒さんが小学生だったとき、1930年代くらいに書かれたかなりマニアックな論理学の本をセサミの本棚で見つけ、「あ~、これを探していたんだ!」と大喜びしていた姿です。え~~、小学生でこんな本読むなんて、と感嘆し、景仰しました(※これもわかりにくかったら、探していた虫を発見して狂喜している虫君の姿を想像してみてください)。好きなことを極める力は、何て強いのだろう。

 だがしかし、ここでまた悩んでしまったのです。というのは、「特に好きなこととかありません。夢も目標もよくわかりません。それを探すために大学に行こうと思うのですが」という生徒さんが結構多く、「好きなことを極めろと言われても、そもそも好きなことがないのですが…」という場面が少なからずあるからです。こういう場合は、どうしたらいいのだろう? 大学に入るためだけに勉強をするの? いや、違う、それだけではない。ここで、2つめの登場です。

 おそらく皆さんがこの先、大学生になったり社会人になったりしたときに、「こういったことがしたいな」とか「この分野で活躍したいな」って思えることが出てくるでしょう。その時に、数学を勉強することで培われた、新たな事柄を学び、深く考察し、試行錯誤しながら、何らかの結論や結果を導いていくという経験が大いに役に立つのです。数学を学ぶということは、論理的な思考を組み立てていく訓練であり、12年間学び続けた蓄積は、大きな糧になるのです。​私は、ぐるぐる悩みあぐねいた末、結局は元の基本に立ち戻ってきたのでした。

 セサミ数学スクールの“セサミ“は、『アラビアン・ナイト』の中の「アリババと40人の盗賊」という物語に出てくる「開けゴマ Open Sesame!」というセリフからとりました。

 "Open Sesame"には、「望みをかなえてくれる魔法の鍵」という 意味があるそうです。「魔法の鍵」を手に入れる方法はただ一つ。自分の頭で考えながら、地道に着実に勉強し続けることです。そのような習慣を身につけてほしい、というのが私の願いです。そうすることではじめて、思考や創造の領域に入っていけるからです。

 みなさんがこの先進むであろう様々な分野で、「魔法の鍵」を片手に、世界を切り開いていってください。数学が得意の人も、得意でない人も、勉強し続ければ必ず「魔法の鍵」を手に入れることができます。そして皆さんが活躍するそれぞれの分野において、「魔法の鍵」は力を発揮するのです。

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 コロナ後、世界の在り方は変わり、また日本の経済状況は悪化していくとの見通しが少なくない状況です。しかしそのような中においても、私は明るい未来を夢見ることができるのです。なぜならば、日々皆さんが一生懸命に勉強する姿と接しているからです。数学・論理的思考という「魔法の鍵」を片手に、果敢に我が道を進み、各々の領域で奮闘する皆さんの姿を夢見ることができるからです。

 一生懸命勉強する生徒さんたち、人間のできた保護者の皆様方、有能で信頼のおける講師たちに恵まれて、これまで何とかやってこれました。本当にありがとうございます。感謝の言葉しかありません。ありがとうございます。​

 皆さん、どうかこの先も、私を圧倒し続けてください! ​及川えり子